ふるさと佐久


by newport8865
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

<   2006年 07月 ( 1 )   > この月の画像一覧

川上村の蝉

佐久地方は、比較的標高の低い佐久市、小諸市近辺でも海抜600mを越えており、そのほとんどがいわゆる高冷地に属する。そのため、どうやら昆虫類も標高に応じた垂直的な分布をしているようだ。

子ども時代、8月1日のお墓参りや旧暦のお盆に、佐久町の父の実家を訪れると、その1000mを下回る海抜の山里では、夏になればミンミンゼミの声が騒がしく聞こえたものだった。従兄に連れられて早朝のリンゴ畑にセミの脱皮を観察に行ったこともあった。完全に脱皮を終えると硬く透明になるミンミンゼミだが、脱皮したばかりのそれは、もしそのようなものがいるとすれば妖精とはこのような色彩なのだろうと思われるうす緑がかった白い外観で、非常に水っぽい姿をしていた。

ところが、小学校の6年間を過ごした千曲川の最上流の川上村では、夏になるとカブトムシはそれこそ山ほど採集でき、秋ともなれば無数のトンボが飛び交っていたほど昆虫の成育には適した場所だったようだが、セミの鳴き声を聴いた記憶がまったくない。毎日のように野山で遊びまわり、毎日鎮守の深い森を通って小学校に通っていたのに、セミの鳴き声はまったく耳に残っていない。

子どもの頃の記憶というか、記憶全般というものの不思議さだろうが、興味のないことはほとんど明瞭な記憶に残らないもののようなのだが、このセミの鳴き声を覚えていないということが興味関心がなかったための記憶の欠如なのか、本当にセミがいなかったのか、どうにも分からない。

このようなことを考えたのは、数年前川上村の川端下(かわはけ)の金峰山川上流にキャンプに行ったとき、早朝樹上からセミらしい鳴き声を聴いたことに由来する。

このとき川上のセミについて書かれた川上村に別荘を構えている方のページ「信州 川上郷 自然うぉっちんぐ」でセミの写真と記事を発見し、次のようなメールを思い切って出してみた。

ところがそのメールはなぜか届かなかったそうで、そのメールへの直接の返事ではなく、blogに掲載しておいたそのときのメールを掲載した私の別ブログの記事を検索で発見されて、キャンプのときからから数年経過した最近になって思いがけずそのウェブマスターの方から返事をいただいた。


----------これが私の2003年8月のメール--------
はじめまして。
長野県南佐久郡川上村の歴史をネット検索していて貴サイトにたどり着いたもので
す。
小生、約30年ほど前まで、川上村の御所平で暮らしておりました。その当時、まだ幼
年だったこともあり、川上村でセミの鳴き声を聞いた記憶がなかったのですが、今年
の8月の初め、遅い梅雨明けの日、久しぶりに金峰山川のほとりのキャンプ場(ふれ
あいの森)に2泊ほどしたところ、日の出からしばらくして、樹上からセミらしいも
のの鳴き声を聞きました。温暖化の影響がここまで及んでいるのだろうかと不審に
思ったのですが、貴サイトでエゾハルゼミの存在を知りました。
大変ぶしつけなお願いで恐縮ですが、このエゾハルゼミについて教えていただけない
でしょうか? ウェブマスター様が写真を撮られたり、大合唱を聞かれたのは、風景
写真からすると、秋山、川端下のあたりでしょうか?川上村に通われて10数年間との
ことですが、毎年鳴き声は聞こえましたか?

こどもの学習に生かしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます
---------以上が私のメール--------


--------以下が2006年7月にいただいた返事-------
  はい、毎年エゾハルゼミの鳴き声を聞いています。初めて聞いたときは何の鳴き
声なのか全く分かりませんでした。鳥でもないし、何の虫なのか?カラマツやアカマ
ツを中心とした松林の中で必ず晴れ間をみて一斉に鳴き出します。雨が降ってくると
ぴたっと決まって鳴き止みます。6月の初・中旬あたりがそのピークかと思われま
す。晴れ間が見えない梅雨時の日中はごくたまに曇っていても鳴き出すことがありま
す。これまで聞いたことのないメロディー(聞きなし)で「ミョーケン ミョーケン
 ケケケケ・・・」とけたたましいほどの声量で鳴き続けます。よく聞いていると鳴
き声がハモッテいるのが分かります。鳴いているのはオスです。そのうちに、鳴きな
がらメスの方に近づいて行きます。オスはメスより一回りほど小さいです。メスの腹
部は黄色がかっています。エゾハルゼミの大合唱(ハミング)はまさに繁殖行動その
ものかと考えられます。朝、草むらや樹木の幹で抜け殻を見かけますが、その年に
よって個体数の多少があるようです。でも、鳴き声によって例年との個体数の多少ま
では分かりません。村内のいたる所で聞こえてきます。慣れると車で走っていても鳴
き声が聞こえてくるのに気づきます。

  不思議に鳴き声が聞こえてこなくなってやがて真夏になると、コエゾゼミが主役
になります。セミたちは時期によって住み分けているのでしょう。川上村ではこの2
種しか出合っていません。他の種類もいるでしょうが。・・・・・・
----------以上返信終り-----------

これについては、早速お礼の返事を送らせてもらった。

趣旨はほぼ上記の記事に同じだが、「今から思えば高原野菜や水稲の農薬散布が原因だったのかも知れないと思い当たりました。金峰山川流域の相当奥地まで高原野菜畑が開墾されてはいますが、さすがにキャンプ場の周辺まではその影響がなかったという風にも考えられるかも知れないなどと素人ながら考えてみました。」と思いつきも書かせてもらった。

本当に農薬の影響はどうだったのだろうか? 農薬の影響がなくてもセミの声が聞こえなかったとすると原因はどうだったのか。これについては川上村育ちの母に確認してみたい。
[PR]
by newport8865 | 2006-07-18 20:23 | 自然